2009年5月24日日曜日

プレイバックシアター

プレイバックシアターを見に行った。場所は原宿。私の本棚にも並んでいるHRインスティテュートの本がやたらと展示してあると思ったら、HRインスティテュートのオフィス、HRIビジョンハウスだった。なんとおしゃれなところにあるものだ。アジアの子供達を支援するために行われたイベントに、場所を貸したらしい。ビジネスの成功のみならず、こうした社会活動も援助する姿勢は、すばらしい。

シアターを見るつもりだったが、椅子は円形に並んでおり、これはひょっとして自分たちで演じるってこと?と思ったらその通り。事前課題で見た映画の登場人物になって、短いシーンを演じてみることになった。

題材となった映画は「闇の子供達」。宮崎あおいや江口洋介が出演しているが、題材は深刻。アジアの悲惨な境遇の子供達を助けようとあがく人たちの話だった。私の役は、いたいけな子供を田舎の親元から連れ去る人買い。ほんの1~2分のことだが、悪人らしい声や仕草で動いてみると、「手間を掛けんじゃねえ、さっさと来い!」という気分になるから不思議だ。

振り返りでは、それぞれの役の視点から意見が出て、社会的な問題が単純ではないことが浮き彫りになる。どの人物にも背景があって、それを互いに理解し合うのは容易なことではない。

援助というのは日常の生活とは距離があるため、他人事となりやすいもの。そこを自分事にするにはどうしたらいいだろうか、という問題提起から、その人物になりきって行動してみる、というワークショップにつながったらしい。

その意味では、演じることが持つ力に気づかされたワークショップだった。今回は映画のシーンという、作られた話だったが、現実にも生かすことができる。自分と対立する人や、理解できないと思っている人でも、揶揄するための物まねではなく、その人本人として演じてみることで、気持ちを感じることができるからだ。

参加者が役を演じるワークの後は、シアターのメンバーによる短い実演があった。

終了後、シアターのメンバーに、「お芝居をしておらるんですか?」と聞かれた。自分自身の開発のためにインプロジャパンの練習コースに通ったことがあるだけだが、自分で思っているより、身に付いているのだろう。最近インプロには通えていないが、コーチや研修講師として、クライアントの感じているものを共に感じて理解しようと意識していることが、役に入り込みやすくさせているのかもしれない。


この日は、テーマが深刻なだけに、プレイバックシアターはヘビーだという印象が残った。

大きな社会問題をそのまま扱おうとすると、個人では解決できないことに必ずぶつかる。その未完了な感じを持ち続けることは、無力感を育てるように思う。世界は広く、問題には限りがない。

だから社会貢献は、まず手元から行う方がいい。自分が持てる大きさに軽くしないと、押しつぶされてしまう。小さくても一つ一つ解決していければいいのだ。その方が、結局は多くの問題解決に寄与できるのである。世界のどこかではなく、今目の前で困っている人の役に立つ。コーチとしての本分を果たす。今日できることを行い、一日が終わるときには、今の自分への承認を持って、意欲を持って明日へ向かっていく。それでいいのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿