NHKで「冬の富士山」を放送していた。私も冬富士には登ったことがある。学生の頃は冬山合宿に備えて、11月に富士山合宿を行っていた。11月でも山頂は極寒の地。カリンカリンに凍って、強風の吹き荒れる所だった。
今回の撮影は2月。もっとも厳しい時期だ。麓からの望遠レンズで撮った風の動きは、今まで見たことがない凄みがあった。斜面を這い回る雪煙は、登山者をこそぎ落とそうという意図を持っているかのようだった。
富士山の風は地面を這ってくるので、人の体を浮き上がらせて不安定にさせてしまう。風が来たら、対風姿勢といって、ピッケルを雪面に刺して両足と3点で体を支え、斜面に低く伏せる。風は唐突でどの方向から来るのかわからないため、風の音で聞き分けることになる。私もそれなりに対応できるつもりでいたが、この映像で見るほど強い風では、あっという間に吹きとばされてしまうだろう。
撮影クルーは、風に行く手をふさがれ、一度下山している。解説の片山右京さんも、「この下山の判断は正しいですよ」とコメントしていた。登頂は2回目のアタックによるもの。
カメラマンとビデオエンジニアは知っている人だった。こんな取材ができる人は、そう多くはない。こういうすごい人と知り合いである自分もすごい。と、いうことにしておこう。
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